神の子!?God Childrenとは?面白いフィリピン文化
フィリピン、というかキリスト教国家には
"God Children" "God Parents"という関係性がある。
どういうものかと言うと、子どもが生まれたときに教会で洗礼を受けるが、
そのときにその子(God child)の"代理親役"に任命(or立候補)された人が
God Father(or God Mother)になるのだ。
そしてめでたくゴッドペアレンツになった暁には
・誕生日、クリスマス等の記念日にはお金かプレゼントをあげる
・進学などの際にもお金かプレゼントをあげる
・困っていることがあったらいつでも力になってあげる
無償の愛で、つまりは"第二の親"としてゴッドチルドレンを全面的にサポートしてあげなければならないのである。
なので必然的に
"金銭的に余裕のある人"や
"人間的に出来ている人"には
ゴッドペアレンツ依頼が殺到する。
Bebeも親戚の子どもたちや親友の子どもたちのゴッドマザーである。
中には知らぬ間に子どもが生まれており、知ったと同時に
『あなたゴッドマザーだから!よろしく!』と言われることもあるそうだ。
そしてこのシステムの凄いところは"拒否出来ない"のである( Д ) ゚ ゚
めでたいことだからか暗黙の了解なのか、断ることはもの凄く失礼なこととされるので基本的には強制的に第二の親にならなければならない。
フィリピンの母国語であるタガログ語では
God Fatherが"ニノン"
God Motherが"ニナン"
と呼ばれている。
結婚する際には"仲人"の役割として
ニノン、ニナンを選ばなければならない。
この場合は金銭的なサポートというよりは、
結婚生活でトラブルが発生した際に真っ先に相談出来るような人達が選ばれる。
自分たちが結婚した際は俺の知らぬ間にニノンニナンが各10人決まっており、
式の直前で誰がニノンニナンなのかを知った。
結婚式といえばBebeの地域だけかは知らないが招待状を手渡しで1枚1枚渡していくのである。
自分たちは日本に住んでいるため、帰省するまではBebeの家族が地道に配ってくれていた。
残りは毎日色々なところへ出かけて自分たちの手で配り歩いた。
なぜわざわざ手渡しかと言うと、日本のように
"電車で通学してるから住んでる家は遠い"というようなことはなく、基本的にみんな地元の学校へ通う。なので必然的に近いところに住んでいる子が友達になるのだ。
もう1つの理由は、わざわざ仕事を休んで結婚式に来てもらう為である。
来てもらうんだから招待状ぐらいは自分の足で渡しに行くぐらいしないとお前何様だということになるとかならないとか。
ちなみに日本のように出席・欠席を確認することもない。
(※自分たちは田舎のローカル教会で式を挙げているのでリッチタイプの式はわかりません)
なぜなら来たい人、来れる人が誰でも来て良いためである。
一生懸命配った招待状も体裁のためだけで、それを持っていないと入れないということもない。
というわけで事前に『行くよ!』と言われてない限り、誰が来るのか式が始まるまではわからない。
二次会は更に人が来る。
自分たちの場合、式の4〜5倍はいたと思う。
なんでそんなに増えるかというと、タダ飯が食える為、地元の知らない人間も勝手に入ってきて食って飲んで帰って行くのだ。
その為、細かい人数を把握しておく必要もなく、結婚式前夜から親戚・友人がとにかく大量の料理を作って作って作りまくる。
このときに初めて生きてる豚を殺し、腹を割いて切り刻み、肉塊になり、料理に変わっていく様を見た。
衝撃的であったがこれが"お肉を食べる""命をいただく"ってことなんだなぁと実感した。
最近の子どもたちは"魚"がお刺身(切り身)の状態で泳いでいると思っているらしい…
日本人には是非見ていただきたい。
恐らくお肉が食べれなくなるか、
より一層感謝をして"いただきます"を言えるようになると思う。
ちなみに前日の昼頃から作り始めて、終わったのは式直前。
つまり朝方までずっと作りっぱなしだったのだ。
これには本当にビックリしたし、よくわからない日本人との結婚式のためにそこまで頑張ってくれたことに頭が上がらなくなった。
正直、良いとは思えない田舎の風習に俺もBebeも嫌気が指していて、ちょっと距離を取っていただけに尚更であった。
助けが必要な家族、親戚、友人には惜しみなく全力の"愛"を注ぐところにフィリピン人の絆の強さが見えて、フィリピンで式を挙げて本当に良かったと感じた。