エチオピア人?99歳祖母とBebeの初対面
俺の祖母は御年99歳で健在である。
自分のことはほぼ全部自分で出来、
目も耳も年相応のクオリティだが私生活にはさほど問題ない。
『明日は学校かい?』などと本格的にボケているのか単なる天然ボケなのか判断が難しいが、根が超善人なので全て可愛く聞こえる。
俺は生まれたときからずっとおばあちゃんと住んでいたので、かなりのおばあちゃん子である。
ずっと一緒にいるが、今まで怒ったことを見たことがないぐらい温厚そのもので
"家族愛"に満ちあふれている。
自慢じゃないが俺の親戚一同は皆出来た人間ばかりであり、人を思いやることが出来る優しい一族だと自負している。
それも早くに旦那を亡くし、娘4人を1人で育て上げたおばあちゃんの"人柄"にみんなが少なからず影響されている為だと思う。
今回はそんな祖母とBebeが出会ったときのお話である。
Bebeが来日してから比較的すぐに実家に連れて行った。
急に連れて行ったので両親は外出していて、家にいたのはおばあちゃんだけだった。
おばあちゃんに
『彼女連れてきたよ!』と紹介すると目をショボショボさせながら
『あらま〜Motoke(俺)に彼女がいたなんてね〜。いつもお世話になっております。
さぁさぁ、お上がんなさい』
と言い、座布団を用意してくれ優しく迎えてくれたのである。
『彼女は外国人だから、まだあんまり日本語しゃべれないんだよね』
と言っているそばから
『どこに住んでいるの?仕事は何しているの?』
と矢継ぎ早に質問してくるのである。
Bebeは簡単な言い回しならなんとかわかったが、老人特有の言い回しで話されるので俺の脇腹をツンツンして(何ダッテ?)と聞いてくるので通訳しながら会話を楽しんだ。
"フィリピン"というカタカナ言葉が脳にまで達しないのか
『フィリピンからキマシタ』
『あらそうなの〜両親はどちらの方?』
『フィリピンデス』
『両親はどちらにお住まいなの?』
『フィリピンデス』
とチグハグな様子である。
フィリピンではお年寄りが一番偉く、家にお邪魔したときもまず最初におじいちゃんおばあちゃんに挨拶しなければならない。
そのためお年寄りの"孤独死"や"老人ホームに入れて介護放棄"などは絶対に起こらないし、絶対やってはいけないことである。
Bebeも老人が大好きなので、戦争の話だったり結婚の話だったり、娘(俺の母)の話をカタコトの日本語と英語で聞きまくった。
おばあちゃんも人好きで善人なので聞かれたことにはちゃんと教えてあげないと、と張り切って答えていた。
ゆっくりしていたかったので寝っ転がりながら適当に通訳していたら、Bebeに
『ちゃんと通訳シテヨ!』と怒られた。
そしてうちらが去り、お母さんからLINEが届いた。
『今日うち来たんだってね!おばあちゃんから聞いたよ!彼女も一緒だったって!』
『エチオピア人なんだって!?どこで捕まえたのそんな子?』
( ゚д゚ )彡エチオピア⁉
フィリピン…エチオピア…いやいや"ピ"しか合ってないし!
その後、何度も会っているが未だにフィリピン人と認識しているかは微妙である。
ただお互いに話好きなので会って話しているときはとても楽しそうだ。
冒頭の写真はおばあちゃんが風邪をこじらせて検査入院をしていたときに毎日お見舞いに行っていたBebeが面白がって撮った写真である。
『おばあちゃんファンキーデスネ♪(о´∀`о)』
『なんだかよくわからないけど…』
好奇心旺盛なBebeが毎回色んなことを聞いてくれるのでお母さんも俺も知らなかったことが知れて面白いし、有意義な家族の時間を作ってくれることにとても感謝している。