フィリピーナ vs 自動販売機
Bebeは2015年3月21日に来日した。
早速会社の研修があった為、同期のフィリピーナ達と某有名ホテルに滞在していた。
喉が乾いたBebeが自動販売機で水を買いに行ったのだが、Google Earthで確認が出来ないほどの田舎に住んでいたBebeは自動販売機なんぞ見たことも触ったこともなく、未知の機械であった。
上手く買えるかわからなかったBebeはロビーに人がいないことを確認し、戦闘準備を整えた。
先進国日本であればお金を入れなくても買えると思ったのか、ワケわからない見ず知らずの機械にお金を入れて取り出せなくなった場合に困るからなのか、とりあえず押してみることにした。
(((((((((((っ・ω・)っ ポチ
もちろん出て来ないので今度はUFOキャッチャーで台を揺するかのごとく叩いてみた。これは、チンケな自動販売機を叩けばジュースが出てくるという動画をフィリピンのTVで見たことがあるからである。
(╯・ω・)╯バシバシ
やっぱり出て来ない…
(どうやらお金を入れないとダメらしい…(´・ω・`)ショボーン)
と気付き、遂にお金を投入。
ボタンを押して
やっと購入出来ました〜٩(๑´3`๑)۶
なんてことはなく…やはり出て来ない…
また(╯・ω・)╯バシバシバシバシ
するが出て来ない…
(壊れてるのかな?(´・ω・`))
と途方に暮れ、自動販売機を見つめるフィリピーナ
のちに知ったことだが、お金を入れたら光るボタンではなく
飲み物のサンプルを押していたらしい。
そりゃ出て来んわ笑
一生懸命サンプルをグリグリ押しているフィリピーナを想像したら笑ってしまった。
途方に暮れているとタイミング良く同期のフィリピーナ達がやってきた。
彼女らはマニラやマカティ、ダバオといった都会出身のシティガールであった為、Bebeが買い方を訪ねたのだが、元々自動販売機があまり置いていないフィリピンなので、みんなも初体験であった。
助けが来たかと思いきや、みんな買い方がわからず、数名のフィリピーナがただただ自動販売機を見つめているだけの面白い光景になってしまった。
(諦めて少し遠くにあるコンビニまで行くか…)
みんなが諦めかけていた時、1人のリーダー格のフィリピーナが気が付いた。
『日本なんだからもっとハイテクに違いない!!!
きっと話しかけるんだよ(≧∇≦)/』
とても斬新である。
聞くや否やフィリピーナ達が一斉に自動販売機に向かって叫び始めた。
フィリピン人は目指すべきものがわかると、とても頑張るのである。
食べ物ならばなおさらだ。
『WATER!! WATER PLEASE!!!!』
反応はない。
さっきの斬新リーダーがまた口を開く
『たぶん欲しい商品の目の前で言わないとダメなんじゃない!?』
Bebeが欲しがっていた水は一番上の段に位置し、背の低いフィリピーナ達は背伸びをして首を上に向け、また叫び始めた。
『WATER!! WATER!! WATER!!』
ひな鳥がお母さん鳥からごはんをもらう姿を想像してしまい笑ってしまった。
何かの手違いで反応してあげて!
と願うも非情にも自動販売機は反応してくれない。
最後の手段だと言わんばかりに斬新リーダーがBebeを見つめてこう言った。
『乗りな!!』
さすがリーダーである。
自分を犠牲にしてでも部下に水を買わせてあげようという心意気が素晴らしい。
Bebeの顔が遂に最上段に届き精一杯叫んだ。
『WATER!! WAATTEERR!!!! WATER PLEASE!!!!』
苦しそうな顔のリーダーが気付き叫ぶ
『ここは日本だから日本語なのかも!!!』
みんなが叫ぶ
『MIZUよ!WATERはミズよ!!』
Bebeが最後の力を振り絞り叫んだ
『ミズ!!ミズください!!!!(´°̥̥̥̥̥̥̥̥ω°̥̥̥̥̥̥̥̥`)』
奮闘虚しく結局みんなでコンビニまで行ったとさ。
めでたしめでたし。