Rich Philippines, Poor Japan

国際結婚を通していろいろと興味深いこと、面白いこと、文化の違い、考え方の違い、感情表現の違い、環境の違いなど様々なトピックを話し合ってきたので国際結婚されている方、これからされる方、したい方、そういった方々と経験や情報をシェア出来たらなと思います。

前十字靭帯と半月板を損傷した方々へ 手術編

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恐らくこの記事にたどり着いた方は現在入院中で手術前日の暇かつ不安な時間に情報を集めている方か、術後のリハビリで他の人の経過が気になっている方だと思う。

 

俺は2年前に再建手術したのだが現在でも若干の後遺症(?)があるものの、前十字靭帯と半月板は完治していると言っても良いはずである。

 

その中で術前から現在に至るまでの道のりと一番気になるであろう

どんだけ痛かったかをシェアしたいと思う。

(※ちなみに手術方法はBTB{骨付き膝蓋腱}である)

 

 

 

スキーは膝の怪我をしやすい

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俺がヤッちまったときの競技はスキーだった。

スキーが趣味で冬になるとシーズン券で毎週滑りに行くほどである。

この時期になるとスキーやスノボで膝を怪我した人で病院がごった返しており、俺と同時期に怪我したであろう"同士"もたくさん見かけた。

実は前十字靭帯、半月板の何年か前に内側側副靱帯も損傷している。

内側(ないそく)は自然治癒で治るのでギプスを数週間するだけで、あとは放置プレイで治るので世話ないのだが、前十字靭帯は再建手術しないと治らないので厄介である。

スキーは板がテコ代わりになって膝(靭帯)に負担が掛かるので思わぬ怪我をしやすい。

他にもバスケットボールやバレーボール、サッカー等の飛んだりひねったり系ラグビー、アメフト等のぶつかられる系のスポーツに多い。

 

前十字靭帯(ACL)の役割と切れちゃう動き

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そもそも前十字靭帯(ACL)の役割とはなんだろうか?

膝の靭帯は4つあるのだが、この4つがそれぞれ前後左右、急加速、急減速をしたときに働いてくれることによって人間は走ったり止まったり曲がったりが出来る。

前十字靭帯(以下ACL)は大腿骨(ふとももの骨)と脛骨(スネの骨)を繋いでおり、脛骨が前に行っちゃわないように引き止めてくれている。

もしACLが無かったらサッカーでボールを蹴る度に足が曲がっては行けない方向に曲がってしまうかもしれない。(※筋肉とか他の靭帯とかもいるから実際には起こらないよ!)

ACLにかかる負担のメカニズム

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脛骨を前に出さないようにしている靭帯なので、脛骨だけが進んでいってしまう動きが一番ヤバイ。

スキーで言うと後傾、バスケバレーサッカーだと足が滑ったけど身体は後ろに残っちゃっているときなど。

それプラスで膝が内側に入っちゃっていると、より負担が掛かる。

X脚の人やジャンプのとき着地のときに膝が内に入る人は要注意。

 

前十字靭帯損傷してしまったときの兆候

実は俺が受傷したときは全くと言っていいほど痛くなかった。

(ちょっと捻っちゃったかな…)ぐらいだったので雪で10分ぐらい冷やした後、また滑り始めたのだが膝にモワモワした違和感があったのと膝裏(腱と腱の間の一番凹んでいるところ)に筋肉痛のような痛みがあったので止めておいた。(膝裏が痛いのは前十字と聞いたことがあった)

しかしプロのスポーツ選手が受傷したヤツはめっっっっっったクソ痛そうである。

 

デリック・ローズ:NBAプレイヤー

www.youtube.com

 

清水邦広:バレーボールプレイヤー

www.youtube.com

 

伊藤みきモーグルスキーヤー

www.youtube.com

 

恐らく"損傷"と"断裂"で痛みのレベルが全然違うのかなとは思うが、ACLの場合は損傷でも断裂でも再建手術をしない限り一生治らないのである(涙)

 

ちなみに内側側副靱帯をヤッたときは"グツン"というぶっといゴムが破断したような感覚が膝に走ったのですぐわかった。

 

手術をするかしないか

繰り返し言っているがACLは保存治療では一生治らない。

再建手術を"するか""しないか"の選択しかない。

ちなみに俺が内側側副靱帯を損傷したときは"保存療法"で治ったのだが、厳密に言うと

靭帯は一生治らない

靭帯はさけるチーズみたいな感じである。

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内側(ないそく)の場合は日が経つとさけたチーズの上にさけてないチーズがまた出来てきて合体し、さけたチーズを補修してくれる。

しかしACLの場合はさけたらさけたままなのである。

比較的良く切れる靭帯の割に毎回手術をしなければ治らないなんて非常にやっかいである。

手術の際に"強化靭帯に変更"とかのオプションがあれば良いのにと切に願った。

 

では"手術しない"を選んだらどうなるのだろう?

60、70歳を過ぎてもう本格的にスポーツをすることもないし普通に生活するだけ。

という方々にはこっちの選択肢もあるらしい。

実はACLが切れていても私生活にはほとんど支障ない。

膝崩れ(急に膝カックンされたみたいになるやつ)やロッキング(膝を曲げた状態で固まってしてしまい伸ばせなくなる症状※ACLと併発しやすい半月板損傷をすると起きる)

が起きる場合があるが基本的に痛みもないし、本格的なスポーツでなければ多少の運動も出来る。

しかし若い人にはオススメしていないらしい。

なぜならACLが無いことで骨が余計に動いてしまい、軟骨を擦り減らしてしまうからだ。

それが原因で、年を取ってくると膝の痛みや合併症を引き起こす可能性が高くなってしまい、その頃に手術しても手遅れになる。

それならば辛くて長いリハビリにも耐えうる若いときに手術しておきましょうってことらしい。

 

いよいよ手術

前日

(じゃあもう手術するしかないやん)と半ば諦めにも似た決心をしてから1ヶ月後、いよいよ手術になった。

前日から入院し、暇なので色んな人のブログを見てどんだけ痛いのか知る。

あの故山本キッド徳郁でも術後は痛みで一晩中悶えていたとか…

他の人も痛そうだし辛そうだし、約1年に渡るリハビリも大変そう…

このときになってやっと(俺大怪我したんだ)と気付いてしまった…

ブログなんか見るんじゃなかった((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル 

当日

昨晩からごはんが食べられず、OS1とかいう経口補水液を500ml×3本飲まされた。

 

時間になって歩いて手術室へ向かう。

麻酔科医の人と手術室前で記念撮影してストレッチャーに乗せられ、いざ手術室へ。

整理整頓されてて綺麗で明るかったけど、時には一刻を争って生命を救ってる"戦場"なんだなと思ったら感慨深かった。

 

担当の先生やら他の先生やら看護師さんもぞろぞろ入って来て、

(こんなにたくさんの頭良い人間が俺の膝の為だけにここにいるのか)

と思ったらまたしても感慨深かった。

 

手術前に『硬膜外麻酔を背骨のすき間から打って、確認が済んだら全身麻酔で寝ててもらいます』 との説明があった。

 

背骨のすき間に打つ?

 

 

素人でもわかる

 

 

絶対痛いやつやんΣ(゚Д゚)

 

 

全身麻酔するならその麻酔いらないでしょ!』

と必死で抗議したにも関わらず、

『意識はあるけど足の感覚は無い状態で確認したいことがある』

と医者感あり余る返答にぐうの音も出なかった。

 

ストレッチャーの上で麻酔科医が

『では横向きになって海老みたいに丸くなってください』と言う。

ビクビクしながら横向きで丸くなる俺

『では刺しますねー』

 

ブスッ!!

 

…あれ?痛くない|д゚)チラッ

俺『これ刺さってるんですか?』

麻酔『刺さってますよ〜。もう終わりです』

 

(•ө•)♡

I♡KOUMAKUGAIMASUI

 

教訓その1

硬膜外麻酔は全く痛くない

 

硬膜外麻酔が効いてくると不思議なことに下半身がポカポカ暖かくなってくる。

それと同時に下半身が動かなくなってきて、そのうち完全に下半身不随状態になる。

この感覚も面白いもので、自分の中では動かせているつもりなのに実際は全く動いていないのである。

ストレッチャーから手術台に数人がかりでポイッとされ、身体は動かない。

しかもペラペラなふんどし手術着なんてズレ放題で意味を成してない。

もう気分はまな板の上の鯉である。

(もうなんとでもしてくれ!)と思っていたら全身麻酔のマスクを付けられ、なんとか羞恥プレイから逃れることが出来た。

 

 

目を開けるとすでにベッドの上だった。

ちょうど看護師さんがいたので身体を起こすことも出来ない今の自分の姿を見たいのと記念の意味も込めて写真を撮ってもらった。

 

顔には酸素マスクが付けられ、右膝はゴツいギプスで固定されており、左手には点滴が刺さっている。

背中にもなんかあると思ったら硬膜外麻酔の管がまだ刺さっていた。

そして注射以上に俺が嫌いなやつもくっついている…

チン◯管である…

 

これが付いていると痛くて寝返りも打てなくなるし力も入れられなくなるので大嫌いなのだ。

サイヤ人がしっぽ握られたときぐらい弱くなってしまう。

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全身管だらけになってしまい、いよいよ大怪我人らしくなってきた。

幸い俺は吐き気なども無く、すぐにごはんも食べられた。

しかしブログによると今晩が山なのである…

麻酔が切れてからの痛みが悶絶!!ものだそうな…

当日夜

だんだん痛くなってきた。

可愛い看護師さんが『今の痛みを数字(0−10)で表すといくつですか?』と何度も聞いてくる。

見栄を張って最初は2−3ぐらいと答えていたけど深夜にはナースコールを押して痛み止めを何度もお願いしていた。

挙げ句の果てには人生初座薬を彼女に捧げるまでの仲になってしまった。

照れを隠すためかさっとジェルを塗って手早く挿入し、目を合わせることも無くスタスタと恥ずかしそうに去っていった。

 

一晩経っての感想

痛かった。ただ正直言うと、思っていたより痛くなかった

ブログには悶絶して唸るほど痛いと書いてあったから(これからもっと痛くなるんだ)という心構えが出来ていたからかもしれない。

痛いは痛いし確かに痛みで眠れないのだが、痛みの強さで寝れないのではなくて、痛みがあることが邪魔くさくて眠れないのだ。

痛みを例えると"膝の中で小さいおじさんがハンマーで骨を叩いている感じ"だろうか。

カキーンッ………カキーンッ………カキーンッ

とテンポ良く痛みの波が来るのだ。

しかしおじさんが少し休んでいる間にウトウトすることも出来る。

 

座薬初体験を済ませ、また一つ大人の階段を昇った俺だが座薬に関する知識を一つ。

座薬は痛くなりすぎる前に入れたほうが効果が出やすいらしい。

 

教訓その2

座薬は挿入してから絶頂を迎えるべき

 

翌日

翌日もまだ普通に痛いし、足も動かせないが痛みの度合いはかなり減ってきた。

しかし日が経つにつれ痛みは軽減していった。

 

 

そして術後2日後からリハビリが始まる。

長くなったのでリハビリ編は次回