結婚指輪には2種類ある!買うか作るか貰うか!…あれ?3種類だった!!作った話
結婚指輪を自分で作れるってご存知だろうか?
指輪は特別な物であり、ましてや結婚指輪ともなると文字通り"肌身離さず"一生を共に過ごすわけだ。
俺たちはどうしても思い出の詰まった特別な結婚指輪にしたかった。
指輪はピンからキリまでたくさん売られており、どれも素敵である。
ただし全部既製品なのである。
そこでDIYに定評のある俺たちが自分たちで作れば楽しい経験が出来る上に、世界に"Only one"の思ひ出がギッチリ詰まった理想の結婚指輪が出来るではないか!
これぞ"One stone Two birds"だ!と血湧き肉躍ったのだ。
決まってからは早かった。
いや、むしろ結婚式まで数ヶ月ということもあって今までゆっくりし過ぎていたのだ。
お店を調べ予約を取り、まずは相談しに伺った。
このとき相談に乗ってくれたスタッフの方が感じが良く、そのうえ河北麻友子似でめっちゃ可愛かった。
河北麻友子にどんな形にするか、材質、ダイヤを入れるか等、聞かれ美術関係の大学に行っていたらしく、その場でサササッと完成図をデッサンしてくれた。
またたく間に素敵な指輪が色付きで描かれていき、
(おぉこれを自分たちで作るのか〜)という実感が湧いてきた。
と同時にサササッと仕事をこなす河北麻友子に
(ほれてまうやろ!!)
と叫びたかったがお茶を一口飲み心を落ち着かせて、
『いいね…』と中尾彬風にキザに決めておいた。
後日、再来店し指輪を作るための専用ブースに入った。
そこには感じの良いくるくるパーマの男性スタッフと、感じと恰幅の良い黒人?黒人と日本人のハーフ?と思われる女性が待っていた。
どうやら日本語があまり出来ないBebeの為に、通訳として英語も日本語も堪能な彼女が付き添ってくれるというのだ。
この女性もBebeと同様おしゃべりで、通訳の合間に仕事のことや家族のこと、ご主人の仕事のこと(このご主人が実は凄い人でラグビーのプロ選手)を話していた。
外国人はこうやっていきなりプライベートな話をし始めるから凄い。
指輪を作る過程はこうだ。
- 金属をカットし伸ばす
- 丸めて輪っかにする
- 指輪の内側に刻印を入れる
- デザイン通りにひたすら削る
- 完成
俺たちは材質を"ピンクゴールド"にした。
柔らかく、肌に合う感じが気に入ったからだ。
そして俺がBebeの指輪を作り、Bebeが俺の指輪を作ることにした。
ピンクゴールドの金塊(金棒?)を指輪のサイズに応じて切るのだが、良く考えるとちょっと短く切ってしまったら指に入らなくなってしまうので結構大事な作業である。
次にカットしたゴールドを回転するプレス機に入れて地道に伸ばしていく。
金属をつぶす感覚が手に伝わってきて面白かった。
"ここまで伸ばす"というのが決められてて最後の微調整はパーマ先生がやってくれた。
これも間違えたら長さと厚さが全然違うものになってしまうため責任重大である。
パーマ先生が0コンマ何ミリの単位で調整してくれたゴールドを今度は丸めていく。
グイッグイッと丸めて楕円を作る。
ピタッとくっつくまで調整する
このすき間に金属を溶かして流し入れ、完全な輪っかを作る。
熱して↓(すき間の上に小さな金属のカケラが乗っかっている)
溶ける寸前↓
スッと金属が溶けて入ったところ↓
水に入れて冷やした後は刻印(メッセージ)を入れる作業。
失敗が許されないため、練習用の指輪で何回も練習してから望む。
俺は『Don't leave me!』(訳:置いて行かないで!)
ドジなBebeはどこかに置いて忘れてしまうかもしれない、と思い、指輪目線でこのメッセージを書いたのだが、受け取ったBebeは俺がDon't leave me!と言っている(訳:1人にしないで=ずっと一緒にいてね)と思い込み、
『フゥ〜!スウィート!!(*˘︶˘*).。.:*♡』と喜んでいらしたので、
『そ、そうだよ〜!スウィートでしょ〜(`・ω・´)』と言っておいた。
Bebeは聖書の"第◯◯章"を打ち込んでいた。
聖書を開き、そのページを読めば意味がわかるという"クセ"を盛り込んだようだ。
刻印を打った後はひたすら削る。
削ってはパーマ先生に見てもらいを繰り返し、削る削る
俺が削って見せると
『うん、いいね!次はこの辺を〜…』
と次のステップに進むのだが、不器用なBebeが
『センセイ!ドウデスカ!?』と見せると
『う…うん!パーフェクトパーフェクト!(≧∇≦)/』
と笑顔で言っているのだが、手元ではめちゃくちゃ削り直しているのである笑
Bebeが見せる度に褒めながらも猛スピードで修正してくれるところに彼の優しさとプロ魂を感じた。
そして一通りの作業が終わりパーマ先生が最終調整をすると言うのでお店の辺りをブラブラしてから戻ると、作業が終わっていた。
立派な箱とお花に囲まれて出てきた俺たちの指輪を見て驚いた。
『全然違うwww』
研磨が施されピンピカピンになった指輪は高級感が溢れ、威風堂々としているのだ。
Bebeの指輪には小さいダイヤが埋め込まれ、またちょっと違った雰囲気である。
ただ、あまりにも違いすぎる…。
まるで料理番組で散々適当に切ったり、焼いたりした後に
『そして出来上がったものがこちらです』
と完璧な完成品を見せられたような違和感がある。
なんだか俺たちが作ったものとは思えない素晴らしい出来上がりになってしまった感も否めないが結果的に良い経験が出来た上に、思ひ出の詰まった満足いく結婚指輪が出来上がった。
そして何よりフレンドリーかつプロフェッショナルな方々と楽しい時間を過ごせたのが良かった。
お店を後にする際、パーマ先生、通訳のハーフ女性、河北麻友子、他スタッフもお見送りに来てくれ、素晴らしい指輪と素晴らしい人たちに囲まれたBebeが感極まって泣いてしまったが、それにつられてみんなも涙ぐむという卒業式みたいな展開になってしまった。
それを見て本当にこのお店で作って良かったなと感じた。
長くなってしまったが、既製品のカッコいいやつも良いが自分で作るのも悪くなさそうだ。と思って頂けたなら幸いである。
ちなみにハーフの女性スタッフさんはすでに退職してしまったが、いまだに交流が有り、ご主人のラグビーの試合を一緒に応援しに行ったりしている。